ハイパーカプニア(Hypercapnia)
■ 説明:
- 血中の 二酸化炭素(CO₂)濃度が高すぎる状態。
- CO₂の排出が不十分な状況で発生。
■ 症状:
- 頭痛
- 息苦しさ
- 意識混濁
- パニック、興奮状態
- 重度の場合、意識喪失、痙攣
■ ケーススタディ:
リブリーザーや閉鎖式サーキットの使用ミス
- 不適切なCO₂スクラバーの使用により、呼気中のCO₂が十分に除去されず、体内に蓄積。
- 特に深いダイビングや長時間のダイビングで気付かぬうちにCO₂中毒に陥る可能性がある。
- 興奮、混乱、意識喪失といった症状が水中で現れ、致命的になり得る。
■ 事故例:リブリーザーダイバーの死亡事故(技術ダイビング)
- 場所:メキシコ、ケーブダイビング中
- 状況:
- リブリーザー使用者がCO₂スクラバーの装着不備(間違った方向で装着)。
- ダイビング中盤でダイバーが混乱し、行動がおかしくなる。
- 意識を失い、そのまま死亡。
- 原因:
- CO₂が除去されず体内に蓄積、**高炭酸ガス血症(ハイパーカプニア)**による意識障害。
- 教訓:
- 器材チェックとトレーニングの徹底が必要。CO₂中毒は自覚しづらく、進行が早い。
まとめ表(比較):
状態 | 原因 | 症状 | 主な危険シナリオ |
---|---|---|---|
ハイポカプニア | 過換気 | めまい・意識喪失 | フリーダイビング前の深呼吸 |
ハイパーカプニア | CO₂蓄積 | 頭痛・混乱・意識喪失 | リブリーザーの不適切使用 |
ハイポオキシア | 酸素不足 | 混乱・ブラックアウト | 息止め・浮上時の酸素低下 |
ハイパーオキシア | 酸素過多 | けいれん・意識喪失 | ナイトロックスの深度超過 |